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太鼓持ちの詩

  うちの近くには自衛隊の駐屯地があり、夕方にもなると迷彩服を着た人たちが家路を急ぎます。

 子供のころの私は自衛隊の人たちに、
「兵隊さん、いつもご苦労様です。」
 若い隊員に言うと目をキラキラさせて喜ぶのです。味をしめた私は年配の自衛隊員には、
「大佐、ご苦労様です。」
 敬礼すると超ご機嫌になるというテクニックもマスターしました。

 男などというもの、兵隊のようになんとかでありますっ敬礼!とハキハキ丁寧にへりくだってやれば簡単に、ご機嫌になるのでした。縦社会万歳!!

 そして私もいつしか大人になり、少年の初々しさと引き替えに人をおだてて調子に乗せる太鼓持ちというワザを駆使、それでこの辛い世間の荒浪を立派に綱渡るのでした。

 そのせいか、お好み焼き屋で酸味と甘みのちょうどよいソースに生まれて初めて出会ったとか褒めてたせいで、店の10周年記念パーティーに呼ばれたり、飲み屋の女の子を一夜の間違いのため全力で褒めちぎったら、連帯保証人にされそうになったり、
「それで、そういうのって疲れない?」
 そう聞かれます。それは違います。

 それは自分自身を褒めるための布石なのです。自分というものは簡単にはだませないもの、他人をほめて気持ちよくさせられないような者に、自分をほめてその気にさせるなど無理な話。

 だから、人を褒めて褒めてやっと自分を褒めたときの説得力が生まれるのです、自分の褒め言葉を信用する気になれるのです。 人を褒めて褒めてほめまくるオレって偉い、人も楽しいし、オレもなんか楽しいし~♪アッ、人が鼻をかんで捨てたティッシュすら白いバラに見えたし。

 きっと、今の私に褒められないようなものなど、存在しないのです。

 

 

青い蝶

   ちょっといいかんじでサビれたアーケード街。水曜日は店のほとんどが休みのようで、ブラブラ探索していると小さいジュエリー店のガラスウインドウの中に蝶の標本が飾ってありました。

 私が子供の頃は、まだヴィデオデッキなどというものがあり、VHSのテープを録画なんかしており、高級ビデオデッキとかにはアモルファスヘッドという合金が使われ、それで美しい青を再生しているのだというTVCMがありました。
 その原料は、キレイな青い蝶の羽だそうで、何万羽の蝶がビデオデッキの部品にされるため殺戮されると思うと、TVで見る青いビキニにすごく興奮しました。

 なので、学校のいつも白衣を着ている先生に、どうしてそんな残酷なことをするのか質問してみました。すると先生は、
「負けず嫌いな一匹の蝶が、花よりキレイになろうとして、あんなキレイな色になることが出来たんだ。だから君たちも頑張りなさい。」
 と、言いました。
「蝶は、ただ花の蜜ばかり吸ってたから、それは可能だったんだろうな。」
 そう、言いました。
「先生、ぼくそんなこと聞いてません。」
 抗議すると先生は、
「お前は、もう明日から焼き肉を食うな。」 
 と、しかられました。

 それから、しばらくして牧場に行ったとき、牛小屋の周りに牛のシッコで出来た池が出来ていました。そこにはキレイな青い蝶が沢山いて羽を同調させオシッコに群がり、オシッコを吸っていました。

「大人はみんな嘘つきだから。」
 私は悔しさのあまり、そこでオシッコをしました。すると私を慰めるように青い蝶達はやってきました。そして、私のオシッコを優しく吸ってくれたのでした。







 

 

いちばん花見

  私は車の後部座席で真っ赤な金の蔦の模様のあるバイブルをめくりながら安いビールを飲んでいました。  
「何を読んでいるのですか?」
 そう、劇団員に聞かれ、ビジネスホテルの机の中から盗んできた聖書だと私は言うと、団長は中国人みたいだと彼らは喜びました。今日はサクラが咲き始めたのに雪が降り、それが美しいので劇団の若い衆を連れて花見です。

 雪とサクラのコラボレーションを見るため山を走ると、道路がうっすら雪化粧、運転しているUのテンションは上がり車を飛ばし始めました。このままではサクラを見る前に菜の花に突っ込んで、花びらを散らせてしまうかもしれません。

「もっと、とばせ。」
 私はそう言いました。奴らに弱みを見せられません。プロポリスが癌にも効くらしいとポロポリスキャンディーをなめているだけでヘタレと笑われてしまうほど、劇団とは甘くない世界なのです。

 しかし、このままUに鼻の穴を広げさせたまま運転させると、花見に行く前にサクラの木に激突しかねません。ここは劇団員は劇団員らしく物語でUを説得してみます。

「あれは、オレが他のライダーに「峠の閃光」と呼ばれているときだった・・・」

 それは私が深夜の峠でのこと、大きなカーブだらけのワインディングを法定速度で走っていました。カーブミラ-に何も映ってないことを確認し、バイクを限界まで寝かせ、峠の頂上のカーブに差し込むと、急に視界の中に鹿の姿が目に入りました。

 急ブレーキしましたが、なんとか私は転倒せず、鹿に触れそうなところでギリギリ停まると、鹿はアスファルトの上を腰が抜けたように足を滑らせ、尻を震わせ逃げていきました。そして、道路の端まで行くと、私の方に振りかえり丁寧に頭を下げて、お辞儀したのです。

「それ以来、オレは安全運転するようになった。」

 その話を聞いたUは、さらに車のスピードを上げました。
 
 


 


初めて生える毛はやあらかい

   春風に誘われプチ家出などしてみようと思い、押し入れの隅をあさっていると中学生の卒業アルバムが出てきました。なんとはなしに古ぼけたページをめくると、みんなの将来の夢が書いてあります。

 アイツもこいつも、夢など叶えてないなとガッツポーズしているいると、自分の欄に学者になりたいと書いてあるのを発見しました。

 差し障りないよう、何の学者か書いていません。それは少女の股間に初めて生える毛について研究したかったのですから。

 ある日美しく何も知らない可憐な少女の股間に運命のように生まれる柔らかな太い産毛、それは一本から二本になり、3本になり、やがて濃密な茂みになっていき、大人になる恐怖は少女を乗り越え、そして魔物に変わっていく、その道程をなめるように研究したかったのです。

 しかしきっと、そんな学問は世間には認められないことでしょう。けれども、その進化と変化の考察はアートとして時代に残っていくのです。けれどもアートと猥褻は警察のさじ加減、私はミニスカートの婦人警官だけで構成された秘密警察に捕まることでしょう。

 そこで問答無用、
「貴様がやったんだろう。」
 さんざんに罵られ、いたぶられ、私は自分が何をしたのかも分からなくなるときがあるかもしれません。

しかし、
「このままでは終わらんぞー。」

   つづく。

 そんあ日が来ないでよかったなーと思う、とあるよく晴れた春の日。
  

 

 

 
劇団 どんぐり 公式ブログ

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