軍団モモオ

　　昨日、母が本屋に連れてけとうるさいので、DVDの返却のついでにツタヤに連れていってやりました。なんか編み物の本を買うようです。さては孫娘のサナギをおばあちゃん子にするための先手を打つようです。

　たしかにこのままでは、ぷちエンジェルの私にかなうはずなく、おじちゃん子になるでしょう。

　しかし、私と違い母は怠け者です。昔、ひどく寒い冬、妹にマフラーを編んでやろうとしたのですが、途中でうんざりして、毛糸のハンカチという吸水性のない役にたたないモノを作り出しました。妹は、「お兄ちゃん、手がびしょびしょなの～。」と自分の脇の下で手をふき、例のハンカチはお地蔵さんの頭の上に捨ててくるという、出来事が起こりました。

　っちさい手袋とか、靴下とかなら編めると思っているのなら、それは間違いです。例の赤いハンカチは千羽鶴を折りたくなるサイズでした。

　ツタヤでビデオを返した私は、前世が忍者だったらしく、また、くのいちなんとかというDVDを借りてしまいました。きっとこれも忍法なのでしょう、気がつくと借りさせられていました。母は編み物の雑誌を買って微笑んでいます。

　帰りの車の中で、DVDのレンタルコーナーの奥にあるノレンは、なんなのだと母は私に聞きました。質屋なの？とか言ってます（アダルトコーナーじゃ）。

　「母上、今はもう質屋のような前時代的なものは姿を変えたのですよ。あれは、いらないビデオを買い取ってくれるところですよ。」

　母はそれで、みんな恥ずかしそうに入っていくのだと納得しました。それでも、ひとりのおっさんが色目を使って母を見ていたそうです。私を狙っているのかしらとかぬかします。母は、弟の部屋にある恥ずかしいビデオを売ってこようかしらと言いました。

　「母上、お金がいらないなら棚にこっそりビデオを置いてくればいいのですよ。」

　母は、そうすると言いました。弟のために。

　くのいち忍法、「ババアでもくのいち」、くのいちの娘もくのいちなのだ、その娘もくのいちになるのだ、ワーハッハッハ、私は大頭、ぷちエンジェルの言葉を思いだしていました。

　悲しいかな、くのいち忍法極意、「敵をあざむくには、まず身内から。」

　はやく帰って、私のDVDを隠さねばなりません。