軍団モモオ

　　 今年も、あと４日で終わりです。年末には大人の絵本、エピソード２を描く事になっていたのですが、私の持病（イヤイヤ病）が再発しました。

　白い画用紙を前にすると、心が拒否して体がイヤイヤします。症状が重くなってくると酒場が開くまでパチンコ屋に逃走したりします。

　そもそも今回、最初に描く絵が母親のブラジャーで目隠しされて育った男ですが、まったく私の情熱に火が着きません。何度もチャレンジしたのですが、母親のブラジャーでは何も感じません。例えば、近所の女子高生が衣服を進呈して協力してくれさへすれば、私はもういちど情熱を取り戻せるかもしれません。

　たとえば、目の前でそれを外してくれ、彼女がそれで私に目隠したとしても、私はそのまま絵を描きつづけるでしょう。

　実際のところ、ひどいイヤイヤ病のときには、じつは気分転換しか方法がありません。こんな重度のイヤイヤ病を我慢して絵を描いてたせいで、私は絵を描くのが苦痛になったのです。こんなときは周りが気を使うべきなのです。「早く描けっ！」とか「お前は怠け者だ！」などと罵ってはいけません。本人がいちばん苦しんでいるフリをしているのです。

　先日も、遅いと怒られたので、「オレのミューズがイヤイヤしてるのさっ。」と言ってみましたが、世間一般にこの病はあまり知られてないようで。「酒ばっかり飲んでるから描けんのじゃ！」と言われておしまいでした。

　描けない苦しみから、飲んでしまう人間の哀しさが理解できないようです。

　それで昨日、なんとなし気分転換にトップレスバー「ロシアっ娘」に行ってきたのです。以前、この店に来たときには全員ノーブラでぶっちゃけていましたが、今はブラジャーをしています。このブラジャーを外すのに千円のチップが必要なシステムに変更されたようです。

　ロシア娘に１０００円を払い、彼女のブラのホックが外され、肩紐がハラハラ落ちていく、その瞬間の美しさに私の中の情熱にパチっと火がつく音がしました。

　「目からブラジャーが取れたっ！」

　私は歓喜にうち震えながら絵を描く事なんか忘れて延長していました。