今日は空が空でないくらい奇麗で。ああ、だから鯉のぼりは今時期に上げるのだと、近所のベランダに干してある女子中学生の体操服を眺めていました。
昔は節句の日に一族伝来の旗や鎧兜を虫干しする風習がありました。それが江戸時代、旗は鯉のぼりに鎧は五月人形に変わりました。名門である私のウチでも梅雨に入る前には鎧を虫干しします。
兜と言えば個性豊かな飾り物です。愛の飾りをつけた兜で敵をバンバン殺す直江兼続がゲームで大人気ですが、うちの兜は「肉」ひと文字飾りが付いています。その兜を囲んで牛丼を食べるのが、ご先祖様への供養になります。
私は鎧を布団たたきで叩きながら、平和のありがたみを噛み締めていました。今は背中に鯉が描いてあったりするだけで温泉にも入れない時代に変わったのです。
そう言えばむかし、夜店ですくってきた金魚が錦鯉だったことがあります。日に日に大きくなって熱帯魚用の60センチ水槽で飼っていましたが、気が付くと私よりも大きくなっていました。うちには池がないので「捨ててきなさい!」ということなりました。
私はこれ以上大きくしないから!と両親に土下座して飼わせてもらっていたのです。エサもやらないようにしましたが、錦鯉は死にませんでした。
私は、その鯉が人面魚になるまで育てるつもりでした、が限界です。私は泣きながら近所のドブ川に、その鯉を捨てにいきました。鯉は何も知らず、鯉のぼりの歌のように面白そうに泳いでいました。川にはゴミを捨てるなっ!の看板が立っていましたが、私は鯉を川に捨てました。ゴミを捨てる方がなんと良心的なことか。
鯉は面白そうに泳いでいましたが、私は一度も振り返らず、走って逃げました。私は子供を捨てて、男に走る母親ドラマの気持ちを初めて理解しました。
もう、大昔のことです。それでも川に野良錦鯉が泳いでいると、胸が少し痛みます。もう、その鯉は空に帰っているのでしょうが。
今年も、もう少し、鯉のぼりが空を泳ぎそうです。
コメント
『肉』があるなら『中』もありそう。
美憂
2013/05/09 21:48 URL 編集 返信donnguri77
2013/05/10 05:37 URL 編集 返信djpvgbfcmr http://www.ged045up272l1u65292j958jlkknfz8is.org/
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2017/08/29 21:51 URL 編集 返信Fold In Doors
2017/08/30 02:25 URL 編集 返信Countersunk Head Hammer Framing Fixing Anchor
2017/09/01 05:27 URL 編集 返信