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鳥の巣

  私んちの(狭い)庭は、ちょっとした密林です。

 それで、ノラ猫が子供を産みすてたり、近所の中学生がエロ本を隠したりします。今年はヒヨ(野鳥)が巣を作ました。それは、私の目の高さくらいの巣で、もう少しだけ高い所に造れば安全なのにな、と思うのです。

 むかし、オカメインコを飼っていました。とても私になつき、私の後をヨチヨチついて歩き、私の背中に登ることが大好きでした。それは私に出来た初孫のようで、私の唯一の宝物でした。

 しかし、このインコは下半身がゆるく部屋のいたるところでフンをし、そういういプレイが嫌いな母は家の中から追放しました。

 そして、何週間も経たないうちインコはノラ猫か何かにに襲われて、いなくなってしまいました。今、思い出しても胸が痛いのです。それで、ヒヨのヒナも心配しています。

 今年は、ヒナの巣立ちの時期に台風が重なりました。ヒヨは賢くなく、何度も巣から落ちて、うちの母に助けられてました。母は手の中にフンをされたと劇ギレしています。

 たぶん、もっと高い所に巣があったならヒナは助からなかったのでしょうけれども。

 そんな台風直撃の真夜中、私は「ガンバレ、ガンバレっ!」と、いう女の声で目を覚ましトイレに行きました。そして、ガンバっていっぱい出しました。

 死ねっ!、とか言わないから、まあ、いい幽霊なのでしょうが。

 その日,、起きて、ヒヨの様子を見に行くと、ヒナは巣立ちしていました。近所の枝でクチバシを空に突き上げ、ほかのヒナの巣立ちを待っています。それで、うちの幽霊はヒヨのヒナを応援していただけかもしれません。

 それから、台風は去り、うちの庭には空っぽになったヒヨの巣だけが残りました。

 

 

 


 

 

 

 

自由すぎ

  人間、自由になりすぎるとダメなようです。

 これからなんでも好きなことをしなさいと言われると、逆に延々と横になって寝ているのだそうです。動物とはもともと、そういうものです。自由な時間さへあったら○○をしよう!なぞという連中は何もしないものです。

 私も、お盆休みにはイッパイ絵を描く予定でしたが、気が付くと横になって侵略イカ娘を見ていました。

 このままではいけないでゲソ!と思いながら気が付くと、もう10月です。

 そこで色いろ、怠け者を立ち直らせる本を読んではみたのですが、読み終わると横になって侵略イカ娘を見ていました。結局、動物も人間もお仕置きとご褒美がないと何もしないようです。

 そこで難しいのは、ひとり御仕置きもひとりご褒美も効果がないということです。頑張った自分にご褒美ぐらいは出せますが、それは他人にオッパイを見せてもらうのと、自分のオッパイを自分で見るくらいの差があります。

 なので、先生とか家族とか、女王様が必要になってくるわけです。

 だから、人間は一人では生きていけないんだな~と思います。とりあえず、年末になったら沢山絵を描こうと横になって侵略イカ娘を見ていました。

 結局、イカ娘は地球を侵略出来ないで海の家のアルバイトで終わるように、私も何もしないで海の家のアルバイトで人生終わるのだろうなと思うと、少し眠くなってきました。 

 

どうぶつの森へ

  私は任天堂3DSを持っています。一時は新品すらなかった「飛び出せ動物の森」が中古品も店先に並ぶようになりました。

 500万本も売れたソフトですし、私の守備範囲は動物も抱けますし、どんなもんかユーチューブで見てみることにしました。

 どうぶつの森のオープニングで、主人公は猫と列車の中で知り合いになるのですが、これは銀河鉄道の夜のアニメを思い出しました。猫は糸のように細い目と、まん丸な目の二つの顔を持っています。その魅惑的な二面性が神秘的で、猫はよく異世界への案内役として登場します。

  あのアニメの猫は失敗していますが、どうぶつの森の猫はいい感じです。

 駅で降りた主人公は犬のしずかちゃんと会います。これはオフロ要員かもしれませんが詳細は分かりません。なんか主人公が村長になるようです。「天下りかっ!」とニワトリが突っ込むのかもしれませんが分かりません。

 主人公の出会う村の動物たちはみんな、いい奴そうです。しかし、ゾウが「覚せい剤、打ってマンモスうれピー」とか言うのかもしれません、細かいところは分かりません。たぶん、ラストでは人妻マントヒヒに恋心を抱くのですが、拒絶され「やっぱり人間が恋しい~」と寂しく村をあとにするエンディングはなさそうです。

 このゲームにはまり家事や仕事を拒絶する人々がいます。どっぷり動物世界に逃げこみ人間から遠ざかっていきます。森は心理学的には心そのものを現します。森の絵は黒に近い深緑で描かれるように、見えない深さを持つのです。そこで起こる単純な出来事は寓話化されやすいのです。

 心理テストの舞台の多くが森であるのは、そういう意味からです。またテストに動物がよく出てくるのは自分の分身としてです。このゲームの主人公は釣りをしますが、それは心の奥の何かを探りだそうとする行為、昆虫採集は自分の中にある何かを探す行為です。

 このゲームは無意識に心を再現していく箱庭療法に似ているものかもしれません。

 しかし、私は他人がどんなに癒されようが動物の森を買うことはありません。それは戦乱カグラという飛び出すオッパイゲームを買ったからです。

 私はキャラのオッパイを揺らして、キャッキャッしてる自分の心の森の深さに驚かずにはいられませんでした。

      
 
 

 

 

バジリスク

  忍者アニメなど見ておりまする。ラストでくのいちが、「大好きです」と自分の胸に剣を横にして突き立てるのでございます。そして、笑顔で死んでいきます。それはオッパイにスッと刃が入り音も無く、血飛沫もなく、愛に刃物が入ったかのごとくでした。

 刃を横にするというのも、アバラの間に刃を入れるため、理にはかなっているのでございましょう。

 本来なら、悲しく切ないお話なのですが、誰かに好きだと告白するときは、死ぬ覚悟で言わなければならないのだと私は悟ったのでございます。

 早速、告白に行くでございます。ふられたら、死ぬ覚悟でございます。新しく店に入ったセリーヌちゃんに一刻も早く好きだと言わなければ。日本にいるうちに・・・・。

 私は彼女に、「大好きです。」と告げました。満月の夜でした。しかし、彼女には本国に家庭があり高校生の息子もいるのだそうでございます。私は隠し持った短刀を鞘の中に収めました。撤収です。

 どうやら、私には愛する覚悟が足りなかったようでございます。

 よし、明日はジョセフィーヌちゃんに好きだと告白しなければ!私は満月の夜道を風のように駆け抜けました。

 

 

 

 

臆病マフィア

   私の知り合いに、臆病マフィアと呼ばれているおっさんがいます。このおっさん、顔は映画ゴッドファーザーで床屋の店員に殺される男とよく似ています。このおっさん、飲み屋の鏡に映った自分の姿にびくっとしたので、臆病マフィアと呼ばれるようになりました。

 このオヤジ、すごい無口で、最初、私は人見知りなのかと思っていましたが、本当は他人が怖がるので、人から遠ざかっているだけでした。

 昨日もコンビニの店員が弁当のハシを入れ忘れたのですが、おっさんはハシを入れとかんかい!と言えずにいました。おっさんはサンドイッチを、一つだけ買って、おハシください、とサンドイッチをハシで食べる人のようになっていました。

 それでも、私だけは、このおっさんが優しすぎることを知っていました。

 このおっさん実はタイガーマスクかもしれない、私は秘かに疑っています。あの野良犬を助けるためにトラックに轢かれ、正体がばれないようにマスクをドブ川にすてたほうのタイガーです。前に、おっさんがルックスのせいで覆面をかぶらされたと言っていたのを覚えています。

 そして何より、休日明けにはアザだらけになっていました。最近ではヒザに水が溜まって正座もできないそうです。

 私はある日、おっさんを尾行し、リングに登る前の彼を捕まえました。

 「素顔を見られるのが嫌でこんな格好してるけど、今日は本当のオレを見てくれ!」

 そう言って、おっさんはタイガーのマスクをかぶり、リングに登りました。カーンとゴングがなると、おっさんは防戦一方で、気がつくと相手の腕ひしぎ十字固めで、あっという間にギブアップしていました。

 「よわッ!」、私は思わず言ってしまいましたが、隣で涙目の少年が私を睨みつけています。会場も負けたタイガーにあたたかい声援を送っているようです。もう体も心もボロボロのタイガーが相手に立ち向かっていく姿は、弱くても、負けても、戦うことが大事だということを、この会場にいるみんなに伝えていたようです。

 私は臆病マフィアと呼ぶのをやめました。

 その翌日、タイガーは何事もなかったように足を引きづりながらコンビニでサンドイッチを買っていました。店員は「がんばってください!」とハシをそっと差し出していました。



 

 

 

 

ダンス部

  スポーツというものは学年が進むにつれ、ふるいにかけられるようにみんな引退していくものです。才能がないからとか、プロになれないからとかの理由で。本当に好きならば、そのスポーツをしていればハッピーなのですから一生、続けてればよいのです。たとえそれが、どんなスポーツであっても・・・

 私の通う小学校にはリンボーダンス部がありました。少女たちが苦悶の表情で大股を開くポーズ、最初はただ、そんな気持ちで私はリンボーのぞき部に入りました。

 しかし、荒い鼻息に感づいた女子に私たちは見つかってしまいました。私たちは体育館に正座させられ顧問の先生に、

 「バカだなあ。お前たち、うちの部にはいれ!そしたら毎日、間近でりんボーが見れるじゃないか。」

 私たちは感動して大粒の涙をこぼしていました。

 「安西先生、りんボーが・・・りんボーが見たいです。」

 そいうわけで、私たちはリンボーダンス部に入り、練習するリンボー漬けの毎日が始まりました。一番、難易度が高かったのは松明を両手に持って回しながらやるやつでした。部活がないときでも、階段をブリッジをして歩いたり、バーの代わりに踏切をくぐったり、私たちの青春はりんボー色に染っていきました。

 しかし、リンボーダンスというのは技術の成長よりも身長の成長がネックになる競技です。世界ランカーにもなってくると、幼稚園を卒業するごろにはベテランと呼ばれ、小学2年生で引退をするか、リンボーの出来るアイドルを目指すかの選択を迫られます。

 私にも引退の時期が迫っていきました。カモシカのように、すらりとのびた私の足では、もう一年生に太刀打ちできなくなっていました。そんなとき、私はあるゲイバーのナイトショーで薄着をせられてリンボーダンスをすることになりました。そこには競技用のメジャーもなく審判員もなく、お店のお兄さん達が私の股間を見守っているだけの空間。

 私は、私は初めてリンボーダンスを覗いたときの、ときめきを取り戻していました。リンボーダンスへの純粋な気持ちを。好きなものは続ければいい、誰がなんと言おうと。自分の人生なんだから。誰かと競争する必要などないのです、誰の目も気にする必要もないのです。私の魂はりんボー無しでは生きられないのだと分かりました。どれぐらいリンボーダンスを愛しているか。そして一生、履歴書の特技の欄にはリンボーダンスと書くのだと心に誓いました。


 もうあれから、数十年の時が流れ、私もすっかりオヤジになってしまいました。もうリンボーゲームのブームは去って、その座を王様ゲームに奪われてしまったようです。

 それでも私はやっぱり、リンボーダンスを続けています、だって好きなのですから誰にもやめさせることなど出来ません。もちろん、私にも。

 そして今日も、息を飲んでリンボーダンスを見ています、物陰で。大胆なポーズで地上すれすれでくぐりぬけていく少女たちよ。人生の困難なんて別に飛び越えるばっかりが正しいんじゃないさ、下をくぐり抜けたって別にいいんだ。

 警備員に見つかり逃げ出した私は、リンボーダンスで鉄条網の下をくぐり抜け、暗闇の中へ消えていきました。

 

電車

  私は電車に乗るのが好きです。都会から帰って、この街の電車を見ると、まるで進んでないようなのろさなのですが、そこが取り柄だったりもします。

 夜に、この電車のがたーん、ゴトーンという音が遠くから聞こえてきたりすると、また誰かが機械の体を手にいれに宇宙へ行くのだなと切なくなったりします。

 昨日、久しぶりに電車に乗ると家族連れが何組みかいます。この、のんびり電車は客もまばらで、みんな座れるし、猫が横になってても、変態が裸で正座していても、誰も気にもとめません。

 私の前に座った家族連れの少女が、プリキュアのパールピンクのバッグを大事そうに抱えています。実家に帰るのでしょうか。私は、プリキュアの、そのタイプは持っていないので、少女を尊敬の眼差しで見つめていました。

 その少女はカバンの中に何も詰め込んでおらず、母親にしかられてるようです。私には少女が、そのバッグが大事すぎて何もつめられない気持ちが痛いほどわかりました。それはただのバッグなどではないのです。そのバッグはテレクラのティッシュや、万引きしたスーパーのお惣菜を隠すためのものではないのです。

 そのバッグのなかは、空っぽのようでも魔法が入っているのです。そこに何かが、入っていてはいけないのです。

 私は、かわいいキャラクターの絵のついた浮き輪を波にさらわれ、号泣したことがあります。絵がついていることで浮き輪に命があるような気がして、可哀想で泣いていたのです。子供とはそういうものです。

 私は電車を下りました。

 少し、煮詰まっていた私は、頭も心も空っぽにしていけということかな、そうつぶやきながらパチンコ屋のゲートをくぐりました。「今日こそは悪の根源、この店をぶっつぶしてやる。」

 私は駐車場に放置される子供たちを守るため、決死の覚悟を持って勝負に挑みます。

  そして、みごとなほどに返り討ちにあいました。しょせん相手は心のない機械。私の魔法はさっぱり通じず、ケツの毛まできれいにぬかれてしまいました。プリキュアさん、どうかこのパチンコ屋を成敗してください。

 そして、私は空っぽの財布で帰ります。電車に乗って。ガタン、ゴト~ン。



                              皆様の来年が良い年でありますように。

                                       

 

 

  

 

 
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