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ダンス部

  スポーツというものは学年が進むにつれ、ふるいにかけられるようにみんな引退していくものです。才能がないからとか、プロになれないからとかの理由で。本当に好きならば、そのスポーツをしていればハッピーなのですから一生、続けてればよいのです。たとえそれが、どんなスポーツであっても・・・

 私の通う小学校にはリンボーダンス部がありました。少女たちが苦悶の表情で大股を開くポーズ、最初はただ、そんな気持ちで私はリンボーのぞき部に入りました。

 しかし、荒い鼻息に感づいた女子に私たちは見つかってしまいました。私たちは体育館に正座させられ顧問の先生に、

 「バカだなあ。お前たち、うちの部にはいれ!そしたら毎日、間近でりんボーが見れるじゃないか。」

 私たちは感動して大粒の涙をこぼしていました。

 「安西先生、りんボーが・・・りんボーが見たいです。」

 そいうわけで、私たちはリンボーダンス部に入り、練習するリンボー漬けの毎日が始まりました。一番、難易度が高かったのは松明を両手に持って回しながらやるやつでした。部活がないときでも、階段をブリッジをして歩いたり、バーの代わりに踏切をくぐったり、私たちの青春はりんボー色に染っていきました。

 しかし、リンボーダンスというのは技術の成長よりも身長の成長がネックになる競技です。世界ランカーにもなってくると、幼稚園を卒業するごろにはベテランと呼ばれ、小学2年生で引退をするか、リンボーの出来るアイドルを目指すかの選択を迫られます。

 私にも引退の時期が迫っていきました。カモシカのように、すらりとのびた私の足では、もう一年生に太刀打ちできなくなっていました。そんなとき、私はあるゲイバーのナイトショーで薄着をせられてリンボーダンスをすることになりました。そこには競技用のメジャーもなく審判員もなく、お店のお兄さん達が私の股間を見守っているだけの空間。

 私は、私は初めてリンボーダンスを覗いたときの、ときめきを取り戻していました。リンボーダンスへの純粋な気持ちを。好きなものは続ければいい、誰がなんと言おうと。自分の人生なんだから。誰かと競争する必要などないのです、誰の目も気にする必要もないのです。私の魂はりんボー無しでは生きられないのだと分かりました。どれぐらいリンボーダンスを愛しているか。そして一生、履歴書の特技の欄にはリンボーダンスと書くのだと心に誓いました。


 もうあれから、数十年の時が流れ、私もすっかりオヤジになってしまいました。もうリンボーゲームのブームは去って、その座を王様ゲームに奪われてしまったようです。

 それでも私はやっぱり、リンボーダンスを続けています、だって好きなのですから誰にもやめさせることなど出来ません。もちろん、私にも。

 そして今日も、息を飲んでリンボーダンスを見ています、物陰で。大胆なポーズで地上すれすれでくぐりぬけていく少女たちよ。人生の困難なんて別に飛び越えるばっかりが正しいんじゃないさ、下をくぐり抜けたって別にいいんだ。

 警備員に見つかり逃げ出した私は、リンボーダンスで鉄条網の下をくぐり抜け、暗闇の中へ消えていきました。

 

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