軍団モモオ

　　 今日、春の流行に乗り遅れないようにデパートにファッションチェックに行きました。私の予想では、今年は去年の反動で派手なものが流行りそうです。Mステに、レディーガガがノーパンで出ていたせいか、今年は、ノーパンが流行る気配があります。ガガ様は、みんなの度肝をぬくために、ありとあらゆるな奇抜なファッションをしてきました。

　しかし、結局は何も着ないのが、一番、みなの度肝を抜くという究極の答えに、やっと気づいたようです。

　それは、私のようなコスプレデザイナーのジレンマでもありました。何かを表現しようとするとき、それは人間を覆い隠すのが衣服です。ときに、衣服は人間を飾るものでなくなり、人間をごまかすためのものになるのです。

　かわいい子、紹介したげるね、と連れて行かれた先には、必ず可愛い服を着たモンスターがいるものです。私は熟女用のセーラー服を縫いながら、私の立ち寄る店に、この服を着たモンスターが現れないように祈ることしか出来ないのです。

　本当に自分らしい服装とはなんだろう？私は「熟女の学校」というパブで考えていました。採寸に来たのです、この店は季節イベントごとに服装を変えて客に嫌がらせします。いちばんしてはいけない格好という問題の答えがここにあります。

　それでもママは、

　「みんな、ここでしかしたかった格好も出来ないのよ。ここの服が着たいから、この店に入った子も多いの。」と言います。

　みんな、永延に自分が若者だと信じていたいようです。着るものだけでも。

　私は、衣服なんて誰に何を言われようと、着たいものを着るのが一番なんだな、と納得しました。中学生の頃、好きだった女の子のブルマーを、こっそり履いてみたのですが、結局は似合うとか、似合わないとかでなく履きたかったのだから、それはそれで間違いでなかったのでしょう。私も一度、履いてすぐにリュックの中に返したし・・・

　その女の子は、一回り大きくなったブルマを履いて、「私、痩せたみたい。」と喜んでくれたました。そうだった、私はみんなを喜ばすために、服飾デザイナーになったんだった。

　目の前で私の作ったセーラー服を着たおばちゃんが、うれしそうに水割りを作っていました。