軍団モモオ

　　先日、どんぐり１号に新しい紙芝居の絵まだ？と言われました。もう「片耳の女王」はチビッコたちに飽きられたようで、商売あがったりなんだそうです。

　私はテレビを見ない子供たちのために、またビール一杯で絵を描く事になりました。

　一年ぶりに絵の具を出すと筆がありません。捨てられたのでしょう。うちの弟は絵筆は色を塗るものだということを知りません。それは女の子の体の敏感なところをなでるものだと思っているようです。弟の乳首を折檻してる暇はないので１００円ショップに買いに行きました。

　歩いて１５分の所にあるスーパーの１００円ショップで５本１００円のを見つけました。私は早速購入して、自分の乳首をコスコスしてみると、いあy～んいい感じです。やはり筆は新品に限ります。

　私はスーパーの吹き抜けの２回の手すりにもたれて、なんで絵なんか描いてるんだろう？とぼんやり考えていました。下の催し物広場で似顔絵描きの青年が赤ちゃんの絵を描いています。赤ちゃんのお母さんは幸せそうに赤ちゃんだけ描いてもらってるようです。

　私は授乳の絵を描いてもらっているかどうか、確認するために一階へダッシュしました。

　そんなことはやはりなく、赤ちゃんが優しく抱かれてニコニコしているだけでした。私は心パイ症です。たしか何週間か前、ここでは母親の似顔絵展があり、私とタメをはるうまい絵たちが沢山ここに飾られていました。

　きっと、このお母さんにとって、きっと最初の子供で、きっと写真だけではもの足りなかったのでしょう。写真には映らないもののほうがきっと大事だったのでしょう。

　もし、この子が大きくなって母の日にママの絵とかもらうたび、今日この幸せだった瞬間のことを思い出すのかもしれません。

　私は絵を描くということは、そういうことなのだなと少しだけ分かったような気がしました。絵筆で母乳の白をゲットしようとした自分に少しだけ照れました。

　私は照れ隠しに、絵筆の先を嗅いでみると何故だかとてもイヤな臭いがしました。