軍団モモオ

　　 苗字に神とか漢字がつくと意外と神社系の血筋だったりします。私の知り合いにも地方の寂れた神社の跡取りがいます、彼も神の字がつきます。

　彼の言うところによると、巫女さんの服装の下は何も履いてはいけないのだそうです。汚れるから？だそうで。
　彼によると本職の巫女は厳しく、処女だという証明書まで提出しなければならないそうです。（調査したところウソだと判明しました）

　汚れきった私は、自分を清めるべく美代子という名前の巫女さんを紹介してもらうことにしました。神社の鳥居の下、６時に待ち合わせです。

　「お前のパンツの中に鬼が住んでおるぞっ！わらわが退治してくれるわっ！」、なぞという妄想を勝手にしておると、巫女コスプレをしたバア様が石段を降りてきました。

　「お前か！私のファンというのは。」とババア、私がその美代子だと名乗りをあげました。

　これは宮崎駿のアニメで見たことがあるぞ、きっと魔法をかけられた美少女がババアにされているに違いない！私達は二人でカラオケ喫茶に向かいました。

　私はハイボールを頼んだあと、美代子様は甘酒を頼んでいました。とりあえず、美代子様に死んだジイサンを呼び出してもらい徳河埋蔵金のありかを聞くことにしました。すると、美代子様は「私はイタコちゃうぞ。コラッ！」と悪霊を一喝ました。ここは恐れ山ではないのか？、私はようやく正気を取り戻しました。

　私は美代子様とは話す話題が全く無かったので、政治の話をしていました。日本最古の国王、卑弥呼様は巫女だったようです。人間が政治をすると欲望、しがらみ、その他もろもろ乱れ放題まとまらないので、神が治めているという体制を取って支配したのが古代の知恵だと彼女はいいます。

　その神の声を伝えるものとして、巫女という立場が存在するわけですが、世間の欲望しがらみと無縁であるため、隔離されストイックな生活を強いれられたそうです。それは神に近づくためであるかのごとく。

　私は最後に神の存在について聞いてみました。昔はいいことも悪いことも神が関係してると信じ、反省したり懺悔したりしたが、今は神様に叱られても、それを悪霊の仕業と神を払いにくるもんさ、と美代子様は言いました。

　神様はどこにでもいるもんさ、そう彼女は締めくくりました。

　そうか、私のパンツの中には鬼でなく神様がいたのか、私は納得しました。トイレの神様を口ずさみながら、クッサイとこに神様はいるものだなと私は千鳥足で家路につきました。