軍団モモオ

　　 本当は、早いとこ絵を描かなければいけないのですが、まったく描く気が起きません。

　こういう日は気分転換が必要かもしれません。宮崎駿がアニメを描き疲れ、気分転換に風景画を描いてました。それはタバコ会社で一日中タバコを吸う仕事のオッサンが、休憩時間に自分のタバコを吸ってホッとしている姿ぐらい衝撃を受けました。

　気分転換というと全然違うことをするような気がしますが、実際は飽きたからセーラー服を着せてみるとか、電気を消して違う誰かに抱かれる夢を見るとかで、していることは同じだったりします。

　ちがう絵を描くとか、私の場合、倦怠感以前の問題（なにも描いていないの）で、セーラー服を着て描こうかとも悩みましたが、それは全く別の問題です。

　そもそも気分転換というのは、頑張ってる人が一息いれるためのもので、何かを始めるためにするようなたぐいのものではありません。私のばあい、反省して気持ちを入れかえて、一から人生をやり直すので許してくださいと頭をヒザに擦りつけ涙を流すのが正しい態度かもしれません。

　毎日、酒ばっかり飲んでるから絵でも描いてみよっかな？というのが私の気分転換になるべきなのでしょう。

　とあるアル中病棟では自分の飲んでいる姿を描くという反省タイムがあるそうです。こういう患者の幻視とか、薬物乱用者の幻覚の絵などもアウトサイダーアートに入れても私はいいような気がします。

　自分を吐き出すことが治療ということでしょう。こういう人々の中にあるものを描かせ分析するのでなく、心の中身を排泄させるのが大事です。自分の中にあるものを吐き出すのがアートならば、こういうものもアートになるかもしれません。

　そうだ、自分を吐き出すために描かなければならないのだ！私の中の何かが吠えました。私は私を治療するため、描くのだ！私は居ても経ってもいられず、鉛筆を折れるほど画用紙に突き立てました。

　そして、ワインを飲んで寝ました。