軍団モモオ

　　　 ただ今、飲みすぎで、ものすごく眠たいのです。この眠たいボーッとした感覚が幸せで、好きで酒を飲んでるわけです。

　一刻も早く、太陽の匂いのする布団に包まれキティーちゃんを抱きながら眠りたいのですが、ご機嫌なのでもう少しだけ頑張れます。


　最近、ゆるキャラブームで、うちの劇団でもマスコットを創ろうという話が持ち上がりました。もちろん、ドングリがモチーフですが、どうでもいいです。チラッと上がってくるイラストを見ましたが、ウンコをかぶっていたり、五寸釘が刺さっていたり、誰しもうちの劇団を憎んでいるのがよく分かります。

　あまりの劇団愛の無さに、ウンコをかぶったのを描いた私は怒りを覚えました。

　たしかに描きにくい素材で、クリを描いている奴もいます。なんで、樫の木の上で一生懸命、地面に落ちよう、落ちようとする可愛いどんぐり達が誰も描けないのか？私は「人間地面に叩きつけられてからが本当の勝負だ！」と深夜のスナックで叫んでいました。

　だいたい、ゆるキャラなぞというものは正統派でいけないのでダジャレに走ったり（まりもっこり）シモネタに走ったり（まりもっこり）、気持ち悪くしてみたり（せんとくん）するのです。
　
　そういうあざとさが、正統派では勝負できないうちの劇団と同じなのに誰もが気づいてしまいました。そして、私たちは地面に叩きつけられた蜘蛛の子のように、おあいそもせずに酒場から逃げ出しました。

　もし、どこかの太陽の下でキティーちゃんの子供布団など干されていたら、きっとここの子供は愛されているんだろうと幸せな気分になれるのでしょう。家に戻り、限界まで睡魔に襲われた私はキティ－ちゃんお毛布にしがみつき布団に入りました。

　明日は毛布を干さなければ！そう思いながら、私はそのまま深い眠りに落ちていきました。