軍団モモオ

　　 久しぶりに絵を描いたのですが、以前どんな描き方をしていたのか、すっかり忘れました。ヘタになったことより、情熱とかハートの方が問題なのでしょう。

　この絵のテーマは「のど自慢に出場したが緊張しすぎてハートをおっことすコンパのときだけ仲のいいOL」でしたが、間違えて右ニセ乳を落とさせてしまいました。

　この二人、適齢期が少しアウトになりかけで焦っているのですが、婚活の材料はネタで受けたモーニング娘のオーディションくらいしかありません。

　それで、ノド自慢に出て素朴ないい娘を演じようという魂胆です。歌うことと子供が大好きというキャッチコピーですが、本当は子供を作るほうが大好きです。

　しかし、人間つまらないとこで背伸びしてしまうもので、他の出場者が歌の練習をしているとき、どんなミニスカートを履くか、胸の谷間をどれくらい見せるか？とか、そんな作戦ばかり立てていました。

　そんな二人は前回のコンパで、巨乳の新入社員一人に足軽のように蹴散らされたのを一生、忘れることが出来ません。それは歳相応に貧乳という烙印を額に押されるほどの痛みでした。

　その後遺症で二人はノド自慢に、ニセ乳を入れて大胆不敵に登場することになったわけです。

　そして当日、生放送の現場で惨劇は繰り広げられました。二人の胸の鼓動は高鳴りすぎて、ニセ乳はどんどんずり下がっていきます。ついに、床までニセモノのハートが地に落ちていきましたが、二人はカメラにキレイに映ろうとするあまりパンツ丸見えの女子高生のように、すっかり無防備でした。

　以下、省略。

　お嫁に行こうとつまらないミエをはったせいで、お嫁に行けなくなるほどの大恥をかいてしまうというのが今回の教訓ですが、もともと私が描こうとしていたのは「お前は落ちてるオッパイに興奮できるか？」という哲学的なテーマでした。

　結局、ミエをはって壮大なテーマを掲げすぎたあげく、こんな下ネタに走る日々。

　「ああ、もっと練習しなければ！」

　そうすれば、誰もを興奮させる、落ちてるオッパイを描けるはずだ、と私は春の息吹に決意を新たにしました。

　それでも私は、落ちてるブラジャーには、あんなに興奮できるのになと深い溜息をつかずにはいられないのです。