散歩がてら、タバコを買いに行ったのですが、雨が降り始めました。
傘を持ってかなかったので、しばらく雨宿りをしながら街を見ていました。町がどんなふうに濡れていくのか見るのが私は好きです、そして、私はびしょ濡れ女子高生が通るのを、じっと待っていました。
しかし、通りかかったのは乳母車を押してるジイサンでした。消火器のような酸素ボンベを乳母車に積み、鼻にチューブを刺してます。きっと、肺が機能していないのでしょう。
傘もささず、ノロノロ雨に打たれている姿は世界を一周しようとするカタツムリのようで、神々しくさへありました。「人生は最期まで目標に向かって進むものだ!」とジイサンの酸素ボンベは語っているかのようでした。
ジイサンは私のそばにある自販機の前にしゃがみこみました。まさか、タバコを買うのではと私は心配しましたが杞憂です。ジイサンは最期の力を振り絞り自販機に這い上がって押したボタンはワンカップ大関でした。
二人並んでワンカップ大関を飲んでいると私はふと、このジイサンは未来から来た私自身ではないのか?という感覚に襲われました。私に、「タバコを止めろ!コノヤロー!」と忠告に来たような、そんな気がしたのです。
私たちは黙ったまま顔すら合わせませんでしたが、しばらくするとジイサンは「200円くれっ!」と私に言いました。私の何十年ヶ後の自分の姿があまりに悲しすぎたので、私は雨の中を駆け出していました。
私は未来の自分が200円で、もう一本ワンカップを買うのを見るのが耐えられなかったのです。
しばらく走ると雨はふりやみました。私は考え直して自販機の所に戻りましたが、もうジイサンは消えていました。私はジイサンに200円あげるつもりでした、それは自分の未来を傷つけることとは分っていましたが、それでもいいと思いました。
もし、酒への情熱が無くなったらジイサンは寝たきりになっていたのでしょうから。
それから何度もそこを訪れましたが、もう二度とそのジイサンには出会うことはありませんでした。
コメント
[url=http://www.gi9pm028gn34j9n4na879g2ic418c4kes.org/]uerwkgtbdj[/url]
<a href="http://www.gi9pm028gn34j9n4na879g2ic418c4kes.org/">aerwkgtbdj</a>
erwkgtbdj http://www.gi9pm028gn34j9n4na879g2ic418c4kes.org/
erwkgtbdj
2017/08/30 00:11 URL 編集 返信Thermal Retardation Boxes
2017/08/30 12:11 URL 編集 返信Pet Gate With Door
2017/08/31 14:47 URL 編集 返信