夏が終わりそうです。
私は季節の終わりにスケッチブック片手に緑色のベレー帽をかぶって、街へ絵を描きにいきます。
このベレー帽は知り合いが誕生日にプレゼントしてくれたもので。絵が描けない私に、「これは世界最強の戦士がかぶる帽子だよっ!」と言ってプレゼントしてくれたものです。
先日、私はその帽子をかぶって近所の神社をスケッチしに行きました。
その神社の御神木が腕のようというか、筋肉というか筋だっているというか、力感あふれて、そういうパワースポット的な絵を描くつもりです。そして、幸せになる絵として売る気でした。
すると、夏休み後半で遊び相手もいない女子小学生が、人恋しくなったのか私の周りを自転車でぐるぐる回り始めました。昨今は児童ポルノ禁止法が制定されたようで、さすがの私も小学生は描きません。
ひとりぼっちの少女は、私の前でミニスカートで縄跳びを始めました。私は最強の戦士ですから、子供のパンツなど描くはずがありません。
少女はあやとびが出来ないようで、一回目で失敗するたび私に手取り足取り教えろという顔をしました。それは私が二人っきりになってもお尻も触ってこないような透き通った瞳をしているせいでしょう。
それはまるで、初めてのあやとびが成功したあかつきには、私は少女の愛の告白を受け止めねばならないような愛の誕生待ちの出来事でした。
私は、そっと少女を応援していました。それは産まれて初めてのダンスオーディションで人生を決められるポールダンサーのような気分でした。
結局それでも、少女は一度もあやとびを成功させることはありませんでした。
そして少女は、「変なオジサンが見てるから飛べなかった!」と私に全責任を押し付け、自分の未熟さを恥じず、がに股で自転車に乗り走り去っていきました。
こうして短かい夏は終わっていくのだろう、と私は地上に出られず死んでいくセミの気持ちが少しだけ分かった気がしました。
コメント
美憂
2013/08/27 23:46 URL 編集 返信donnguri77
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