軍団モモオ

　　皆様　新年明けましておめでとうございます。

　新年そうそう、姪のサナギがお年玉を徴収に来ました。何歳になったのか知りませんが、しっかり喋れるようにはなったようで「お年玉くれんと一緒に、お風呂に入ってやらんっ！」いうくらいには成長したようです。

　もちろん、私は昼間っから酔っ払っていたのですが、サナギは私に挨拶することもなく一人ラーメン屋で餃子で瓶ビールを飲んでいるオヤジを見るような目で見ていました。

　家族に、「恥ずかしいの？」と聞かれても、「恥ずかしい」と言うだけでエビチリにブスブス、フォークを刺していました。

　お年玉をあげるときくらいは子供に大人気だと思っていた私はショックでしたがクリスマスのとき以外、サンタでも子供に嫌われるそうなので、それは仕方がないことかもしれません。

　私じたい子供とか動物になつかれるのが面倒なので、サナギが来ても外出することが多かったので嫌われないだけましかもしれません。私は、これ以上酔っ払っているのを不思議そうに見つめる視線に耐えられなかったので、お年玉は妹づてに渡すことにしました。

　妹に千円札を2枚ティッシュにくるんで「お年玉」と渡すと、サナギはポチ袋をお金より喜ぶと怒られました。仕方ないのでティッシュにサナギの好きなアンパンマンの絵を書いていると、妹があきれてポチ袋をくれました。

　妹はポチ袋っていうのは、これっぽっちが語源とイヤミを言いながら、私が直接サナギにお年玉を渡すよう促した。

　私がサナギにお年玉を手渡すと、「ありがと」とサナギは不思議そうな顔をしてポチ袋を見ていました。私は金がなんの意味のない世界に、価値のない世界に、ゆっくり暮らしていられるサナギが純粋に羨ましくなりました。

　そして、サナギはいつまでも、ポチ袋のアンパンマンの絵を嬉しそうに見つめていました。