軍団モモオ

　先日、S男と飲んでブザマに酔っぱらっていると、S男が自分は「ホクロフェチだ！」とカミングアウトしてきました。

　私も首筋などにあるホクロはエロいなと思うことはありますし、口元にホクロがある女子は、ふしだらだという耳寄りなウワサを聞き、ふと鏡を見ると私の口元にもホクロがあります。

　しかし、S男ほどのレベルの変態になると、身体のどこから舐めますか？と聞かれると、まずホクロだそうです。女の子に新しいホクロを発見すると、新しい星を大発見したかのように小躍りします。

　まあ、こういう変態とか、シリアルキラーは少年時代に何かしら原因があるものです。そこで、私はS男の身の上話を聞いてみることにしました。

　S男が小学5年生のこと、体育の授業の着替えは男女平等に行われており、女子にキャーキャー見るな！と言われながらもS男は憧れのI子をガン見していました。

　さすがにI子のガードは堅かったのですが、体操着に腕を通す、ほんの一瞬だけのこと、I子は小さいブラジャーの上にある２つのホクロをS男に発見されてしまったのです。

　S男は、そのとき自分の希望の星を見つけたのだと言います。S男は勝ち誇ってI子に、「お前、オッパイの上に二つホクロあるよな？」と小声で耳打ちしました。

　そして、ことあるごとに他の男子の前で、「知ってるか、こいつはオッパイの上にはホクロが２つ、あるんだぜっ！」、と言い放ちました。そのときのS男は、I子のホクロは自分の押した奴隷の刻印のように感じていたと言います。

　さすがの気丈な風紀委員のI子も泣き崩れました。

　それから、体育の授業の着替えは男女は分かれてするようになったそうです。それでも、あまりS男は反省しませんでした。ホクロというのは、なんら欠点でもないし完璧ではない人間の美しさのシンボルだと考えていました。

　そこにホクロがあると、目が吸い寄せられ、触ってしまいたくなる、そういう引力を持っているんだホクロってやつは・・・とS男は最近は、そう考えているようです。

　そして、S男はI子に口を聞いてもらえないまま、二人は卒業してしまいました。

　そんな、ゲスいS男の身の上話を聞いて私はウンザリしていました。

　「もし、そのとき、もっといいもの見せてあげるって、オッパイでも見せてもらってれば、お前もこんな変態野郎にならずに済んだのかもなっ。」

　そう言って私は、今度は自分の身の上話を始めました。