軍団モモオ

　　昨日の昼まえ、小学生たちが嬉しそうに幸せそうに下校していましたが、そういえば子供たちの夏休みは始まったようです。

　それは開放感というより、これから始まる冒険へのワクワク感で顔が輝いています。そういう気持ちを失くしてしまった私でも、子供の頃は、エロ本を隠すためだけの秘密基地に、初めてビキニを見た海水浴、それはもう毎日が冒険のようでした。
　
　好きな娘に長い間、会えないことなど大したことではなかった、幽霊を怖がっていたようなころを、ふと懐かしんだりしてしまいました。

　あれは、たしか私が小学3年生のころのことです。とある公衆電話ボックスに幽霊が出ると話題になっていました。私たちは幽霊を見た自慢がしたいためだけに、真夜中の電話ボックスまでチャリを1時間もこいで見に行きました。

　みんな、内心ウソだと言い聞かせながらビビりながら、やって来たのですが、その電話ボックスのガラスには細くて薄い女の人が映りこんでいました。私たちは全力で逃げさりましたが、私たちは霊能力者の仲間入りをしたような、世界の神秘と恐怖を手にした複雑な満足感を共有していたのでした。

　それは少年の私たちにとって、カワイイお化けたちが怖い人間たちから守っていてくれた世界から急に現実に引きずりだされた瞬間のようでもありました。本当は人間が一番こわいのです。

　しばらく夜は一人でトイレに行けないような状況に陥りましたが、のちのち幽霊を見て不幸になったわけでもなく、幽霊に何かされたわけでも無く、しばらくすると幽霊みれてよかった、いてくれてよかったと思うようになりました。

　もし、大人になってしまっていたら見えないものも、見ようとすらしなかったものも沢山あるのでしょうから。

　夏休みが終わると、、私たちは霊能少年としてインチキこっくりさんで女の子たちを恐怖のどん底に叩き落としていました。