軍団モモオ

　　　先日、弟に寝こみを襲われ夜釣りに連れていかれました。

　なにやら、ハマチが堤防から釣れているそうで、四国大陸の先端まで連れていかれました。けれど現実は厳しく、ハマチは釣れず、弟は25センチくらいの鯛を5匹つり、私は小さいカワハギを1匹つっただけでした。

　結局、ハマチ勝負に負けた（注：私はハマチ釣りセットを持っていません。）　私が昼飯をおごることになりました。

　この町には、食事するところがありません。車で30分くらい走るとコンビニがあります。そのコンビニは地元周辺の人々にはデパートです。休日に行くと、家族連れが多く、駐車場が満車だったりします。

　コンビニでジャムパンと牛乳で軽く昼食を済まそうと思いましたが、弟はコンビニに寄りませんでした。

　そこから、また30分くらい行くと隣町に一軒だけファミレスがあって、そこに弟は車を停めました。何を頼んでも千円を超えない店です。
　
　弟は店で一番たかい千円以下のステーキを、私は500円くらいの日替わりランチを注文しました。

　店内は騒がしく、どこかの男の子がドリンクバー６ッ杯目と言いながら、店の中を走り回っています。少し驚いたのは、誰もスマホや携帯をいじっていないことでした。

　のんびりと、みんな家族や知人と、何かを話しています。

　弟がはしでステーキを食べているとき、スッピンのウェイトレスがナイフを忘れていたとナイフを持ってきましたが、弟は使いませんでした。私は化粧室に行こうと、トイレのドアを開けようとすると中からノックが聞こえてきます。

　ドアの扉に人がぶつからないようにでしょうか。ゆっくりと扉が開いて、中の少女がビックリしています。

　私の住む町のファミレスなど流れ作業のようにメシをつめこんで、さっさと出てく所でしかないので、ファミレスで楽しんでる人々を見て感動しました。

　田舎に住むと刺激は無いでしょうが、平凡なありのままの方が幸せなのかもしれません。スッピンのウエイトレスは余計なことをしてないからこそ美しさいのでしょうから。

　店を出ても、都会者の弟は「ごちそうさま」すら言いませんでした。