軍団モモオ

　　　日曜のとある春の午後、暖かくなってきたので公園でうごめいておりました。

　そこへ3人連れの女子中学生が自転車を押しながら通りかかりました。「おはようございます。」　と、爽やかに挨拶しますが、仲間の子は「こんにちは。」　なのにとクスクス笑います。

　しかし、私は春の大地から湧き出してきたような命そのもの、芽吹きの化身、のような男ですので、思わず、おはようございますと言ってしまうのは仕方がないことかもしれません。

　まったく、自分がどんなに美しく咲くこともしらない、このツボミみたいな少女たちよっ！

　ところで、つぼみというと永遠の処女と呼ばれるAV女優がいらっしゃいます。AVに出れば出るほど、みなそう呼びます。あまりに処女なのでCGで妊婦姿でAVに出演された作品もあります。

　そのお腹の子は誰の子か聞いたら、ファンの皆さんの子供なのですと、大きくなったお腹をっさするのでしょう（注：見ていないの勝手な推測です）。

　それを見たファンが、それでもワシの嫁と白い涙をこぼしている話は、よくききます。

　そのむかし、私は失敗だらけの人生で生きるのが辛い時期がありました。過去の汚点にズタズタに引き裂かれ生きるのが恥ずかしいくらい汚れ気分でロクンロールした。

　それは、どんなアライグマでも洗い流すことの出来ないくらいの汚れでした。そんな、けがれきったときに私はツボミさまを知ったのです。

　彼女は、どんなに汚されても、けがされても身体ひとつ隠す事なく生きることにぶつかっていました。恥ずかしい姿で、後ろ指さされても、いつも微笑みを絶やしませんでした。

　そして、どんなに汚されても、けがされるほどに永遠の処女と讃えられるようになっていきました。そんな彼女を見て、私も今までなんとか頑張って生きてこられたんじゃないかと思います。

　明日からも永遠のチェリーボーイと呼ばれるよう頑張ろう、私は女子中学生の後ろ姿を見送りながら、そう誓っていました。