軍団モモオ

　　　どんぐり1号が帰省したので、笑笑で飲みました。いつものように、お前の方がアホじゃ、お前の方がアホじゃと激論をかわしていました。

　「ちょっと、太ったな。」

　以前、太りすぎでマラソンを始め、ヒザと腰に爆弾を抱えたまま転落人生を歩んでいる1号が指摘します。たしかに、さいきんみんなに太った？と聞かれますが、私にとっては初めてのポッチャリで意外と心地よかったりします。

　体型を気にしすぎて、拒食症になる人がいるくらいなので、太ることは、この世の終わりくらいダメージあるのかと思ってましたが、ハゲのダメージに比べれば蚊に刺されたようなものです。

　晩年のルノアールはヘビー級のデブばかり美しいと描くようになりましたが、私もちょっとポッチャリくらいがカワイイと思うようにはなりました。

　ちょっと太るのを気にして、食べ過ぎに気をつけると飯も美味いですし健康的です。ダイエットしなきゃと、運動して挫折を繰り返すのも健康的です。ちょっと、太ってるからと、身体を見られるのを恥ずかしがるところなんか最高に可愛らしいのです。

　「女子マラソンの人は、オッパイまでガリガリじゃね～か。」

　私は、そう言うとビールを追加しました。健康のためにマラソンとか言うけれど、マラソンがどんなに不健康なことか。運動なんて、ダイエットの挫折くらいの量が身体に一番よいのです。

　ちょっと、やせなきゃ！と思いながら暮らすことが意外と楽しいのに、私は気づいていました。

　もっと歳をとったらルノアールみたく、相撲取りを美しいとか思うようになるのかもしれません。楊貴妃だってポッチャリだし、今のファッションショーはガリガリは出演禁止なわけだし。

　いつの時代からガリガリが美しいと洗脳されはじめたのか、それは太り過ぎが健康に悪いため痩せてるほうが美しいという流れになったのでしょう。

　むかしは太っているのが、裕福のシンボルで美しかったのですから、ミスコンテストに太った人が選ばれるような時代になり、それは原点回帰と言われていたりします。

　健康的なのが、もっとも幸せで美しい。人の美しさなんてものは、そういうものなのかもしれません。