軍団モモオ

　　先日、有名なミュージシャンから電子メールが来ていたので、酔っぱらってファンクラブにでも入ってしまったのかと思いましたが、内容を確認してみると、どんぐり1号が偽名を名乗っていただけのことでした。

「　ああ、そういえば少し前に、自称　福山雅治が捕まっていたしな。」
　
　こういう類いの人は自分のことがキライなのか自信がないのか、よく分かりませんが、こういうカリスマといわれる人物の偽名を語ることに、惨めさも恥も感じず躊躇ない所に、彼らのサイコパスなカリスマ性を感じられます。

　そういえば、どんぐり1号は高校の数学のテストに偽名を使うようなカリスマでもありました。　教師に、
「偽名なんか使いって、両親にすまないと思わんのかっ！　」
　と怒られてるので、そのカッコいい答案用紙を見に行くと、漢字一字べつの同じ発音の文字に変えてあるだけのことでした。

　理由を聞くと、こっちの方が姓名判断の画数がいいから、と言いました。

　それにしても、私も最近、自分の名前に飽きてきたところではあります。飲み屋の若い女の子に下の名前を呼び捨てにされる自分に腹が立ちました。

　最近のカラーコピーは、お札をキレイにコピー出来るくらいですから、免許証くらい簡単に偽造できすぎて捕まる人が多いそうです。スパイセットや探偵セットのアイテムとして好奇心から偽造免許証を所持している知り合いもいますし。

　スパイ映画は、今日からお前の名は○○だ、と偽造パスポートセットを渡されるシーンが一番すきです。別人として、やり直したいと言うより、楽をしてウソの人生を手に入れたいという願望の最たるものです。

「そうだな、私も偽名を使おう！　よく考えてみると芸能人なんてみんな偽名なんじゃないか。」
　深夜のオッパイキャバクラで、そう私はつぶやきました。

「　このご時世、本名を晒してたら特定されたり、荒らされたり大変だしね。」
　店の女の子も納得していました。その彼女の店での源氏名は、水樹奈々でした。