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お盆の釣り

  きのう、弟と釣りに行ってきました。今年は小さいアジさへ釣れないと、誰もが暗雲立ち込める未来に不安な顔をした年で、私には初めての釣りでした。
 
「いずれ、この世界から魚はいなくなってしまうかもしれない。」
 私は夜の防波堤で黒い海の中に釣り針を投げ入れました。

 そして、私はお盆ということもあり、食卓で消えていく小さな魚たちの霊に手をあわせました。
「ご馳走様。」 

 しかし、心配とは逆に次から次と小さな魚を私たちは釣り上げました。小さなアジに小さな鯛、小さなメバルに小さなカワハギ。 それは魚たちの子供たちであり未来でした。

「ああ、魚たちがいなくなったのは間違いなく私たちのせいなのだ。」
 私はうなだれました。弟は、
「ごちそうさま。」
 と手をあわせました。

 夜が明けて、暑くなってきたので私たちは竿をしまいました。帰りは弟の窓の開かない車で冷房をガンガンかけて走ります。しかし、冷房が効きすぎ暖かいものが欲しくなるほどでした。

 やがて、小腹がすいたと弟が駄々をこね始めました。ここは何かを口にさせておかないと焼き肉とか回転すしの駐車場に車を停めたりするので危険です。

 しかし、ここは最果ての地。コンビニすら遠い記憶。命があるような純白の入道雲の見える道を、しばらく走ると今まで見たことのないたこ焼き屋を発見しました。もう何も見つからないだろうし、そこで弟の腹を黙らせることにしました。

 一からたこ焼きを作られると面倒だなと思っていると、作り置きがあるようで店の老婆は店の奥に戻っていきました。

 家の奥からチーンという音が聞こえてきます。お盆だから仏壇の鈴の音かなとも思いましたが、明らかにそれは電子レンジのチンの音でした。

 そのチンという音が私には初めて、食材たちへの供養の音に聞こえて、私は思わず手を合わせずにはいられませんでした。

 
 

   

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