軍団モモオ

　　先日、劇団の奴らと芋煮会に行きました。河原の土手で里芋と鳥とこんにゃくを食するのを私の町では芋煮と呼びます。

　河原の土手に拡がる煮物の匂いと赤ちょうちん、秋の風物詩。大きくなったら芋煮に行くのが子供のころからの私の夢でした。そんなものに魅了される子供は、かならず酔っ払いになると、秋の虫が月に鳴いていました。

　お外の薄暗い中で飲んでいると、なんか落ち着きます。暗いので凶暴な顔をしている劇団の連中の顔もよく見えないし、細かい動作まで視認するのは難しいことで、それでよく見ようとしないことで気楽に飲みます。

　酒場の証明が暗いのは、女の子を美しくごまかすためのテクニックだと思っていた劇団員たちに、私はかくれてオッパイを触らせるために暗いのだと大人の世界のテクニックで尊敬を集めます。

　いぜん、芋煮の予約をしていた晩に雨がふりました。そいうときはそういうとき用に、近くのスポーツセンターの会場が抑えてあり、そこで飲まされるのですが、味気ないことこのうえありません。

　一緒に飲んでいる女の子のベージュのパンストの中の縮れ毛まで観察できてしまう明るさです。酒飲みは明るい所では生きていけない悲しい生き物です。

　そして、こういうところはそこそこ客が多くなくてはなりません。それは自分たちの会話が盗み聞かれていないというのが大事です。沢山の客同士の話し声が打ち消しあって、よく聞こえない状態でないとおちおち下ネタも楽しめません。

　よく聞かない、それが酒を飲む上での大切なことです。

　よく見ない、よく聞かない、それが良い酒を飲む条件です。

　それは、昼間いらぬことが見えすぎ、聞こえすぎるため、酒でも飲まなきゃやってられないから、酒を飲むわけなのでしょうから。

　
　　　　　　　追伸　　ちなみに私は毎日のむので関係ありません。