軍団モモオ

　「　同人誌の本の帯を考えろ。」と言われました。

　同人小説を載せてもらったてまえ、協力することにしましたが、本の帯とか書き方が分かりません。

「これを読んで泣かない人は人間じゃない！！（お姉風）」
　とかです、と教えてもらいました。それで、
「据え膳食わぬは乙女の恥！！」
　と渾身の自信作をメールで送りつけました。

　しかし、それは私の変態SM小説（13ページ）の帯文には適しているが、他の著作者の人格が疑われるという理由で却下されました。

　そこで他人のアイディアをパクるために、私は久しぶりに本屋に行って他の小説の帯を見に行くことにしました。

　本屋に着くと、すべての本は色とりどりの帯がついているに初めて気がつきます。色んな殺し文句が書かれてはいますが、しかし、私はクールな男。絶対にやせるとか、人生が変わるだとかには、もうダマされません。

　そもそも、この時代、本を買うにしても内容も評判も調べられる時代。ちょっと帯に変わったことが書いてあろうがプロフィールがすごかろうが売れはしないのです。

　私のプロフィールがでたらめすぎで編集者に、
「みんな、そこは見ますから・・・・。」
　と注意を受けました。
「そんなもんは、結婚式の新郎のプロフィール紹介と一緒で誰も聞いてないから。」
　と一蹴しました。

　そんなわけで、ヒントも得られず、なんのアイディアもなく本屋を出て、気がつくとパチンコ屋に入り、1円パチンコ、エヴァンゲリオンの前に座っていました。そういえば、人生の大半が気分転換の人生でした。

　私が考えなくてはならん本の帯の物語は、家出少女が身体を売りながら本当の愛を探し求める話。そんなことを考えながらボーっとパチンコを打っているとスーパーリーチがかかりました。

「エヴァンゲリオン発進！！！」
　しょっぱいリーチに発展、当然のようにハズレました。

それで、本の帯は「家出少女発進！！！」に決まりました。編集者は何も言いいませんでした。

　家に帰ると、編集者から裏の帯も考えるようにと、短いメールが届いていました。