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ぼくのエレクトーン

   気がつくと今年も、あと一週間ほどになっていました。

 今年こそ捨てようと思っていたヤマハのエレクトーン。小さい頃の私は音楽の英才教育を受けさせられ、背中に銃を突き付けられた北朝鮮楽団の子供のように、満面の作り笑顔で発表会でエレクトーンを演奏したものでした。

 そして、いつしか人は私を作り笑顔の天才少年と呼ぶようになったのでした。

 しかし、私の身体が少年の衣を脱ぎ捨てて、大人の身体に堕落していく頃には、エレクトーンという音楽の世界は私を拒絶し始めます。そこは、女の子しか羽ばたけない舞台、私は女子便所に入ってきた犬のような目で見られ始めました。

 それでも女子更衣室で、演奏しているような気分を楽しんでいました。恥ずかしいけどドキドキするという感覚を覚えたのが、エレクトーンが私に教えてくれた大切なことでした。

 やがて、先輩おねえさまがた達に目をつけられた私は散々に、心も体ももて遊ばれたあげくエレクトーン教室には親子3代出入り禁止という処分を受けるにいたったのでした。

 そんな哀しい想い出を封印するかのように、エレクトーンは隣の監禁部屋で埃をかぶっています。

「もう、何もかも捨てて1からやり直そう。」

 私は、そう思って「ピアノ売ってちょうだい!」のタケモトピアノに電話しました。エレクトーンはピアノではないと言われましたが、私の身の上話に同情したのか、財津一郎のような声の電話の主は、壊れていないのであれば引き取ってもよいと言ってくれたのでした。

 しかし、もちろん音は鳴りません。電話はすでに切られていました。

 やはり、あのピアノばかり集めて、どこで売っているのか分からない組織は、この世界から音楽を葬り去りために存在している組織だというウワサは真実だったのかもしれません。

 私は今、鳴らないエレクトーンを分解して修理しています。私の中の音楽を捨てるのはやめようと思い直したのです。

 そして、満面の作り笑顔で鳴らないエレクトーンの鍵盤を弾いてみるのでした。 

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