軍団モモオ

　　　 あけましておめでとうございます。

　本が刷り上がったので、送ってきたのですが最初の感想は、
「うすっ！！」
　でした。まあ500円だと、こんなもんかと思いつつ、帯もやはり変更されておりました。しかし、もう少しウレシイものかと思っておりましたが、一戦おわった後の風俗嬢のような気分で、タバコでもふかしたい気分です。

　制作中の激闘の残り香が練りこまれた、その本を開けることすら吐き気をもよおす行為に思えたのです。もう一歩たりとも振り返りたくはないのです。

　などとカッコよさげに言ってみたかったのです。

　なんかのドラマで主人公の柴田恭兵が絵本を出して、本屋で自分の本を発見し、腕を広げてブーンとスキップをしながら帰るシーンがありましたが、見てる私の方が吐きそうなほど恥ずかしくなったのを思い出しました。

　本当は恥ずかしいのです。私が描いたシナリオの上映会に顔を出したときも、セリフの一つ一つに下を向いて頭を抱えて、じっと辱めを一番うしろの席で耐えていました。やっと、終わって逃げようとすると、
「これを書いた奴はこいつですっ！」
　と舞台の上に引きずりだされました。

　エロ本を盗んだ捕まった少年のように、じっと俯いている私に対し、監督や出演者たちは得意げで鼻高々のようでした。みんな自分が1番だと思っているような連中ばかりでした。

　もう、それも昔のこと。生娘のように恥ずかしがってなどいられません。世界を救うためにオッパイを丸出しにして募金してくれる人々にオッパイを揉ませている女の子を見て、つまらないことで恥ずかしがっている自分が恥ずかしくなりました。

　むかし、恥ずかしがり屋の芸能人が勇気を出してヘアヌード写真を出し、それからは何も恥ずかしくなくなり、堂々と積極的に生きていけるようになったをいう話を、いま私がねつ造しました。

　そうだ、もっと恥ずかしいものを書こう！もっともっと、恥ずかしいものを描くのだ！！

　そう新年早々、誓ったのでした。
　「ん？」