もうすぐバレンタインですが、わが劇団に昔チョコ禁止令を出していた時代がありました。
園芸を、いや演劇をしている連中というのはメーターの針が振り切ってる人間が多いものですので、遠回しに恋愛禁止に近いニュアンスもあったものかと思います。男女の振った振られたかいうのは、けっこう空気を悪くするのですし。
劇団には私と同い年のボーイッシュな先輩がいて、オッパイのついている仲の良い友人と思っていました。なんでも相談できるいい相棒だと思っていたのに、泥酔したとき、ふいに、
「オシッコするとこ見せてあげる。」
と目の前で野ションをされ、修行の足りない私はドキドキしたのでした。
彼女にとって、それは「勇気」の行動で、自分の殻を破る出来事で、それが「芸術」であるのか「猥褻」であるかなど私には考え及ばないことであったのです。
ただ、彼女は私にとって立ちションも出来ない哀れな友達でした。
それなのに、ある年のバレンタインに彼女はリボンのついた赤い小さな箱を持ってきたのです。
「永遠を詰め込んできたの。オホホホホッ。」
と薬物中毒者のような目をして彼女は唇をうるませていました。
私は青い顔をで、親友がゲイになり私に改宗をせまっている、そんな気がしました。裏切りの町を、私は逃げ出しました。私は彼女が発した永遠と言う言葉に吐き気を覚えました。
きっと、チョコの中には彼女の一部分が練りこまれている、そう確信していました。それが血なのか、毛なのか、もっとヤバイものなのか、そして私は彼女を避けるようになりました。それが私の答えで、その赤い小箱は開けられることもなく、仏壇の奥に供えたままでした。
しかし、そういう、うやむやに済まそうとすればするほど結末はこじれるもので、彼女はある日私に左腕を激しくつかんで、
「バレンタインは遊びじゃないんだよ、このやろう。」
そう、絶交を言い渡されました。
その日、うちに帰ってチョコの中を見てみると、「子作り券」と書かれたオレンジの小さい紙きれが2枚入っていました。そして、私は彼女と二度と話すことはありませんでした。
そんな古い話を思い返していると、ふいに携帯電話が鳴ったので少し期待して電話に出ると、それはよく行く飲み屋の女の子からでした。
なんでも厳選な抽選の結果、私にバレンタインのチョコが当たったので飲みに来いという営業電話でした。私は少しイラッとしたので、
「バレンタインは遊びじゃないんだぞっ、このやろう!」
私は携帯電話を切り、乱暴にポケットにそれをしまいました。
もし、バレンタインに贈るのがチョコでなければ、男はそんなにチョコが嫌いにならずにすんだのにな、そう思いながら私は小雨の路を歩いていました。
コメント
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