軍団モモオ

　　　アマゾンで、この世界で一番しょうもないものを探していました。そう、ドングリ１号への誕生日プレゼントです。

　そう、あれは忘れもしない４年前の私の誕生日、１号は私に一枚のポストカードをくれました。それはゴッホの絵が描いてあり、裏に誕生日おめでとうくらい書いてあるのかと裏返すと、白紙のうえにソースをこぼしたシミがついていました。

　それで彼の世界一しょうもないものを探す旅は終わったのか満足した微笑み、そしてそれが彼の最後の贈り物でした。

　なんとしても、あれ以上のしょうもないものを探さないと。私は真実とか醜い現実とか写す鏡を探しながらため息をついていると、このキノコを見つけました。レヴューを読んでみると、
「ヒゲのオッサンが空中にあるブロックをパンチしたら、これが出てきました。そして、キノコを食べるとオッサンは大きくなってしまったのです。」
　




「しょうもなっ！！」

　あまりのしょうもなさにプレゼントはこれに決まりました。

　うちの両親がシイタケを食べないと大きくなれないよと言っていた意味がやっと分かりました。私はナメクジのようなシイタケが小学６年くらいまで食べられなかったのです。

　けっきょく、小学６年の夏休みにナメクジ食べたらオッパイ見せたげると同級生のミカちゃんが言うまで食べられなかったのです。

　ともかくも、注文して届いたそれは１８センチくらいあり思いっきり伸ばしたりできます。どちらかというとドングリ１号は慎重派なので、エリンギにしてみました。






　１号の誕生日、ごったがえしたビアガーデンで、
「エリンギのような人になってください。」
　そうプレゼントを渡すと、彼は本当に困った顔をしました。赤い目できょろきょろゴミ箱を探しているのを見たとき、やっと溜飲が下がりました。

「おとうちゃん、お母ちゃん、仇は討ったよ。」
　少しだけ、私は大きくなったような気がしました。