軍団モモオ

　　　先週、カゼをこじらせていたので３日間、禁酒していたのでございます。

　ほぼ毎日、飲んでいたものですから３日ぶりに酒を飲んだら、その旨いことときたら、それはもうスーパームーンに咆哮してしまうほどで御座いました。

　いつもは飲み過ぎて、身体が化学変化を起こしているのか酒という薬品を飲んでいたようなもので、久しぶりの芋焼酎は口の中でまろやかにとろけるのでございます。

　もう久しぶりの日本酒などは、口の中で祭りが始まったようで、マイタケを食べてもいないのに私も踊ってしまうほどでした。

　これはきっと三日断食したらご飯もきっと美味しいに違いない、そして三日オッパイを見なかったら、気が遠くなるくらいその美しさに感動できるに違いない、私はそんなことを考えていました。

　小学生のころ、初めてテレビで外人の生乳を見たとき、あまりの美しさと、私に芽吹えた本能は縦横無尽に交わり時間は永遠に止まったかのようで、
「ボクはこれを見るために生まれてきた。」
　そう、啓示を受けたのでした。それは宇宙飛行士がソラから地球を見て宇宙と一体になるという至高体験にも似たもので、それから私の生活というモノはまったくもって美しく一変しました。

　もう一度、あのときの感じを味わうには初めての汚れなき少年の瞳が必要なのです。初めてチンパンジーを見て宇宙人と驚きコミュニケーションしようとするあどけなき魂。初めて夕焼けの赤い空を見る瞳、初めて乗れた自転車の操縦感覚とスピード。

　すべてを新鮮に感じられる力こそが至高体験のカギ。

　そして、生まれ変わった私は昨日の晩スナック、「アルプスの女」で飲んでいました。いつものようにセクハラもしない私の変化に皆、不思議そうな顔をして、
「ご褒美にオッパイ見せたげよか？」
　などと言ってみたりしますが、私は三日後のオッパイのためにはを食いしばってじっと夜を耐えているのでした。