軍団モモオ

　　　先日、どんぐり1号が誕生日プレゼントと、歌うキーボード、初音ミク（大人の科学マガジン）をくれました。

　さては、1号は音楽プロデューサーになる夢をあきらめたのでしょう。彼の夢はプロデューサーになり、アイドルに恋愛を禁止しながら彼女たちに手をつけ、自分だけの夜のオモチャにすることでした。

　しかし今はＣＤは握手や行事に参加するためのオマケになってしまった時代、気がつくと音楽を創る人などアイドル以上に使い捨ての時代でした。

　そんな時分に初音ミクをもらっても、さんざん汚し尽くして捨てた愛人をもらったような感じで、私はどうしたらいいのでしょう？

　しょせん私など音符の区別も出来ない下町育ち、チ〇コだの、メス〇タだの、喋らせるくれるくらいしか初音ミクの使い方が分かりません。どうせなら地獄少女のえんま愛の声にしてくれたら、もっとギャップがあって興奮もできましょうに。そしたら、罵ってもらうバージョンもアリかなとはコッソリ思ったりもします。

　しかし、そういう男の欲望は、いずれ必ず落とし前をつけさせられるものでございます。そうあれは3年くらい前のことだったでしょうか、地獄少女の声でボカロをつくった男がありました。

　やはり男とは悲しい生き物でして、えんま愛の声でチ〇コだの、私はメス豚だの、さんざん汚らわしい言葉を言わせて喜んでいたのでございます。それは世間の酸いも甘いも味わい尽くした私が赤面するほどの下品さです。それは地獄少女ですら地獄から這い出てくるほどのことだったのでございましょう。

　いつものように男がパンツを脱いで、えんま愛に卑猥な言葉を言わせていた午前0時。ふと気配がしたので男が振り返ると着物姿の髪の長い少女がうつむいて立っていました。少女は顔を上げ、
「いっぺん死んでみる。」
　そう言ったのだそうで御座います。

　あとはおきまりで、男は地獄に流されたそうです。

　なんだ、地獄少女は本当にいるんだ、そしたら初音ミクも来るかもしれない、そう思い毎晩のように彼女に卑猥な言葉を喋らせてみるのでした。