軍団モモオ

　　　５分間・瞑想を日課とし、もう８年になります。

　瞑想の効果としてイライラしなくなる、ストレスに強くなるというのは、すぐに結果が出て当然として、次のステップは雑念を払っていきます。雑念を払わなければという雑念、感情の連鎖、記憶の連鎖から自己を解放します。

　そういう雑念が無くなれば、本当の自分と対話できたとか、アイデアがコンコンと湧いたとか、瞑想する著名人たちは言っています。しかし、訓練して、訓練して、やっと私も雑念をなくしてみたところ、無の状態にはなれたものの、それは言ってみれば空っぽの心でした。悩みや迷いからは解放されるものの、何もない生きて息をしているだけの肉の機械。

　うん？　ここで神の声が聞こえたり、パチンコで出る台が分かったりするのではないのか？　このまま石の上で３年も修行するのもよいですが、それは現代社会では永遠とはムダな時間。分析するにもなんの手がかりもなく、私は消してしまった雑念のほうにヒントがあるような気がして、瞑想日記をつけるようになりました。

　そして、２冊目の日記帳が終わるころ、はじめて瞑想の世界の住人が私に語りかけてきました。

　その日の私は忙しく、車の助手席で瞑想をしていました。ヘッドホンで、たき火の音を聴きながら呼吸のことのみ集中。そして、心の奥に沈んでいくと、やせた黒いクチビルの女の子が心の奥底に現れました。何かしゃべりたそうに口をモゴモゴして、薄い胸をかきむしっています。そして、こう言いました。
「私はオッパイを揉んだり触ったりしたいのではないのよ、ただオッパイが見たいだけ。」

　
　　　　　　　　黒いクチビルの女の子のスケッチ


　瞑想中は股間を触られても絶対に目を開かない私なのですが、そのときだけは不思議なことに目を、ゆっくり開きました。

　すぐには光に馴じまない私の目に映ったのは、すごい巨乳の若い女の子で、白いミニスカートに白い足で、美しすぎて無意識に私は手を合わせていました。そのミサイルような二つの膨らみの造形が世界の驚異ほどに美しいのでした。

　そして不思議なことにそれからというもの、街で胸の大きい女の子を見ると私の瞳は、自然に胸へと引きよられるようになったのでした。こういう神秘体験を調べてみると、それは「第三の目の開眼」という現象だと「ムー」という科学雑誌には発表されていました。

　ともかく、オッパイを見てないアピールし、目をそらしてた無意味な呪縛から解放された私は、誰よりも自由を満喫しているのでした。

　
　


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