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とっておきの場所


   人が旅にでるのは美しすぎる場所を探しに行くのだと、子供のころは思っていたものでした。

 大人になるとパワースポットがどうだの、ジースポットをさわれだの色々と面倒です。「化物語」のヒロインが主人公に満天の星が見える場所をプレゼントしたように、そういうとっておきの場所をいくつ持っているかが、とても大事です。

 しかし、いかんせん美への感動というものは伝わらないもの、そこはちょっと演出しないといけません。例として、うちのクリスマスツリーのお話をします、クリスマスなので。

 うちは貧乏だったので、クリスマスツリーはありませんでした。ケーキもおはぎにロウソクを立てたもので、まるでお盆のようです。それで父も不憫に思ったのか、
「先祖代々伝わる、クリスマスツリーを見せてやる。」
 と山奥に連れて行ってくれました。

 寒いから半泣きになったまま、さらに山を登ると紅葉が残っており、とてもキレイな木が生えていました。
「あれがうちのクリスマスツリーだ。」
 と、父が言います。

 その木には飾り付けがしてあり、緑色の短冊に母ちゃんが優しくなりますようにと書いてありました。
「さあ、お前らも願い事を書け!」
 と、父ちゃんは言います。そりゃ七夕や!と思いましたが、それから毎年クリスマスには、この木をみんなで眺めにくるようになったのでした。



           秘密よと  クリスマスツリーに  案内し

コメント

コメント(2)
盆と正月が一緒に来た…と言うのは商売人がしこたま儲けた時に言う言葉ですが、
七夕とクリスマスが一緒に来たら何か大きなメリットがあるのでしょうか?
彦星とイエスが、キャバクラで織姫嬢の勺で飲めや歌えの宴会を開けるとか?(笑)

sado jo

2017/12/27 15:55 URL 編集 返信
Re: タイトルなし
季節感がないとインフルエンザになります。オーストラリアで水着を着てクリスマスをしてきた連中には違うクリスマスがあるのです。

donnguri77

2017/12/28 10:01 URL 編集 返信
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