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さなぎの飼育

  
    その15才の少年はクワガタを愛していた。とくにサナギの状態に惹かれるのだった。幼虫がドロドロに溶け、褐色の殻の中でじっとしているのだと、その神秘な世界がたまらなかった。



 少年がペットショップにクワガタの幼虫を買いに行くと、店にいたのはほぼ下着のお姉さんで、看板娘とはこういうもんなんだろうと彼は思った。

「クワガタの幼虫をください。」

 お姉さんがしゃがんで元気で大きな幼虫を探しているのを見て、少年は下着のすきまを見た。薄紅色の何かがチラリと見え、彼の下半身のほうが大きく元気になった。少年は前かがみでクワガタの幼虫が入ったビンを抱えて走って帰った。

 幼虫はゆっくりと育ち、ある日サナギになったが角らしきものがなかった。




「ちっ、メスだったか。」

 少年は絶望した。


 やがて、サナギから成虫が出てきたが、それはカナブンと言われる昆虫類だった。しかも茶色いほうのカナブン。

「これが大人のやりかたか。」

 少年はカナブンを庭に放つと、茶色のソレは元気に飛び立っていった。

buro 1231

                          みなさま よいお年を




 

コメント

コメント(2)
一瞬、葛飾北斎の「海女とタコ」の有名な版画の絵柄を想像してしまいました。
写真のサナギから生えている触手が、下着のおねぇさんの肌の上を這っていると言う構図ですね(笑)
そんなエロい夢を見ながら良いお年をお迎え下さい^^

sado jo

2017/12/30 17:39 URL 編集 返信
Re: タイトルなし
北斎がそんな絵を描いているとは知りませんでした。新年早々、模写します。

  よいお年を。

donnguri77

2017/12/30 18:42 URL 編集 返信
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